【コラム】急騰後にダブルトップをつけることが多いのはなぜか?その市場心理を読み解く

今回の投稿では「急騰後にダブルトップが形成されるケース」について、なぜそのような動きが形成されるのか市場心理の観点から考察してみたいと思います。

個人的な見解ですが、価格が急騰した後はダブルトップをつけて急落していくケースが多いように感じています。

このような形⬇︎です。

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エリオット波動でいうと、5波の高値更新が失敗することでフェイラーとなるケースに該当します。

今回は、なぜそのような形になるのかをマーケット参加者の心理面から考えてみたいと思います。


以下のチャートはユーロ円の2021年5月末の1時間足です。

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オレンジのボックスの部分で急騰し、ダブルトップをつけて急落するという形になっています。

同じチャートに番号を振ったので、これを元にどのような市場心理が働いてこのような動きになるのかを考察してみます。

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注目するのは赤のダブルトップの部分です。

③: 急騰が発生し一定の値幅に到達したことから、③の部分で①や②でロングを仕込んだ勢力の利確が発生します。
④: 利確によって価格が下がってきますが、同時に急騰を見た勢力が下がったところがチャンスと見て後乗りで買いを入れてきます。
⑤: 一定の買いが入ったことでレートは再び上昇を見せますが、③の高値付近に近づいて来たことで、再び①/②からポジションを持っている勢力の利確(=売り)と③を背にして売りを仕掛けてくる勢力に晒されます。
その状態でも買いが強ければ③の高値を更新して上昇していきますが、売りをこなせるだけの買いのフォローがついてこない場合はレートが下がっていきます。
⑥: ④で買いを入れた勢力にとって、最後のホープはネックラインでの反発ですが、買い支えが入らず、ネックラインを割ったことで④の押し目買いは失敗。失望と共に④の勢力が損切り(=売り)になります。
一方、①/②というトレンドの根元からロングを仕込めている勝ち組勢力は、高値更新が失敗し(=もう上がらない)、ネックラインを割って来た(=安値が更新された)のを見てさらに利確して来ます(=売り)。これによりさらにレートは下がります。

以上が、この一連の動きの背後にある市場心理の解釈です。

ちなみにこの後どうなったかというと、以下のようにWトップからもう一段下げた後に直近高値を超えて上昇していく形となりました。(エリオット波動の5波狙いはこういったところに難しさがあると思います。)

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もちろん毎回急騰が起こる度にこのようになるわけではありませんが、急騰後はこうした動きになるケースがあると知っているだけで、今回のケースの④のような場所での高値掴みのリスクを認識したり、仮に④から上昇した場合も③の高値で売り圧力に晒される可能性を考慮して一部利確するなどといった立ち回りができます。

分析や過去チャートの検証時に意識してみると、新たな発見があるかもしれません。
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